医療業界の抱える問題の中でも特に深刻なのが医療従事者の人手不足です。特に看護師はハードワークであることから離職率が高く、慢性的な人材不足の問題を抱えています。他の業種に比べて看護師は収入も良く雇用が安定していますが、それでも離職率が高いのは精神的、体力的な負担が大きいことが関係しているといえるでしょう。
実際に看護師は、患者の体を支える介助を行うため、それなりに体力が求められます。当然、足腰に大きな負担がかかることも多く、腰痛は看護師の職業病として知られています。また患者の生命に関わる場面が多いため、肉体的・精神的な消耗は避けられません。やりがいが高い仕事である反面、心身の負担が大きすぎることから疲弊して離職してしまうケースが非常に多いのです。看護師の離職を防ぐ改善策としては、まずは各種手当を充実させていくことが必須だといえます。不規則な勤務形態で働くことが多い看護師には、残業や夜勤などの手当ての金額をさらに上げる必要があります。手当てによる収入が増えればそれだけ労働に対する正当な評価を感じることができますし、労働意欲の向上にも期待できます。
また、ライフスタイルに合わせた働き方ができる体制をつくるのも改善策として有効でしょう。妊娠や出産、子育てのために離職してしまうケースは非常に多いため、ライフスタイルに合わせて支障のない働き方を病院側が提供する必要があります。やむなく離職しなければならない状況を食い止めることができれば、人手不足は大幅に解消できるはずです。